発達障害グレーゾーンと愛する犬

発達障害のグレーゾーンと鬱病診断され、人生に悩み就職をやり直すことに

【迷走】22歳から23歳までの人生

私は漫画の編集者になりたいという夢があった。実際履歴書や筆記試験は全て通ったし、向いていないわけではなかったのだろう。けれど面接試験はことごとく失敗。

明らかに自分のパフォーマンスに落ち度があった。緊張すると頭が白くなり、言いたいことが言えなくなる。極度の不安が出てきてしまう。

 

 

当時、編集者はどうしてもなりたい職業だったからなかなか諦めがつかなかった。

ただ、学生時代は家庭教師をしていたり、自分自身も家庭教師や塾の世話になりながら育った経験から、教育業界も自分に向いているかなと安易に受けていて、実は就活早々に内定をもらっていた。

けれど出版社の面接でことごとく失敗し、自分に自信がなくなり、一応受けていた他の企業のESが最後まで書くことができなくなった。他に面接へ通っていた企業も、当日着替えてメイクもしていざ出発、というところで吐き気が止まらなくなりトイレで吐き、選考を辞退した。流石にやばいと思ってストレスクリニックに人生ではじめて行った。すると発達障害の可能性と中度の鬱病、幼少期の経験からくる回避性パーソナリティ障害が考えられると言われた。

 

一番辛い症状が夜眠れないことだったので、まず睡眠導入剤をもらい、薬は効かない人も増えているし副作用も当時はまだ怖かったので、海外で広まりはじめている磁気治療なるものを受けた。カウンセリングも丁寧で、泣き出してしまったことも一度や二度ではない。

 

一通り心が落ち着いて、私という人間は、ある程度自分がやりたいことが見えていて、それを企業で実現できそうな状態でないと、ESも面接も頑張れないタイプなのだと認めた。

 

もともと出版社は倍率が鬼なので、受かることを期待してやるのは良くない(それでもさらっと内定を取る友人が周りにいたから、さらに自己嫌悪強まったけど)

とにかく今のメンタルでは就活は続けられないし、一度心を休ませてから、それ以外の業界をメインに何か目指さないといけない。

そう考えると、大学既卒でも不利にならない、ブラックではない企業…と考えて公務員試験を希望するようになった。もともと親戚や家族や友人に公務員系の人が何人かいたので妥当な選択だ。

マスコミから公務員。クリエイティブから一気に地味な事務職へ。大きな進路変換に見えるかもしれないが、むしろ高校までの私の周りは、国家公務員と医師志望で溢れていたので、元の道に戻ったと言えるかもしれない。

 

(流石に国家総合職は、今から目指すのは私には無理なのでやめたけど)

教養試験は中学受験と大学受験の知識で特に何もせずにある程度取れたので、メインでやったのは専門科目。言語学の研究以外、大学では何も学んでこなかったため、政治や経済、法律は完全に未知の世界だった。それでも最初はある程度計画的に勉強をしていた。

だが、根本的な時間管理の下手くそさと、「頑張っても試験で失敗して落ちたら」という恐怖で頭がいっぱいになり、「頑張っても報われないなら、頑張らなければ辛さも減る」という超理論で勉強から逃げまくり、全く身が入らず、本気で試験問題と向き合い出したのは受験の1ヶ月前。その間の日々は「逃げている自分を責める感情」と「勉強を何が何でもやらなくては決意する感情」と「でもどうにも全く動かない心と身体」の間で板挟み状態。とにかく、勉強できる環境にいるのに逃げ続けている自分が嫌で嫌で、なのに勉強しようとすると頭がグルグルしだして発狂してしまう身体で、自分の意志の弱さをひたすら責める期間だった。

 

それでも、追い詰められるとやる。やりはじめたら過集中で何時間でもぶっ通しで頑張れる。

私の人生はこの二つでなんとか支えられてきた。

結果ギリギリながらまあ合格圏内に入る力をつけて臨んだ当日。

 

 

>>まさかの自信のあった教養試験で大失敗<<

 

試験中になぜか頭が真っ白になって、一つ一つの問題のミスが異常に怖くなり、めちゃくちゃ時間をかけたせいで、普段なら時間が余る試験で8問以上解けないまま終わってしまった。今でも自分の当時の行動が理解できない。

その後の専門記述も論文も会心の出来だったのに、教養の足切りに引っかかることはこの時点で想像がついた。

 

(実際そうだった)

 

試験後はとにかく自失呆然🤦‍♀️

親に頭を下げて、もう一年チャンスをくれと頼んで得た試験で、自分で選んで決めたことなのに、どうしてこうも自分は頑張れないのか。

自己嫌悪で自分を消してしまいたくて頭がおかしくなりそうだった。

 

 

その後県庁の試験と国立大学法人等の試験は難易度的にも問題なく受かったが、国家一般は法律から逃げたツケが周り落ちた。

 

難が去ってまた一難

今度は面接対策

 

就職経験のない既卒の就活は想像以上に難しいものだとこの時期にようやく実感。公務員以外に行き場所はない。

公務員だって、本音なら正社員として働いた経験がない人間をあまり採用したくはないのではないか。

 

そういう不安で、また頭が割れそうになった。

 

大学時代の友人の多くが皆、今年からキラキラした大手の民間や銀行、商社で働いている中で、これ以上失敗したら私はもう顔を合わせられない。

 

そんな恐怖から面接にかける思いがどんどん高まった。それでも予備校の面接練習など活用し、県庁ではそれなりのパフォーマンスが出せたと思う。

でも国立大学法人等はそれぞれ個別に面接や書類選考を受けるのだが、各機関多くて採用は10人ちょい。少ないと1人しか採用しないケースもざらにあり、全く受かる気がしない。

実際すでに二つ落とされ、次が最後の一つだ。

 

県庁の結果が出るのはまだ先だし、望みは五分五分。他の試験は受かる望みは薄い。

 

そんな不安定な状況に耐えられるわけもなく、完全に鬱になった。

 

死にたい・消えたい・親にも迷惑しかかけられない・自分で決めたことからすら逃げようとする自分はクズ・社会の誰からも必要とされない

 

そういう思いでひたすらグルグルグルグル部屋の中で思考の悪循環をしていた。

 

そんな時、発達障害者支援を行う企業を見つけた。目指していることや、やっている事業に心から賛同できた。

なぜこれまでにもっと早く、この企業を見つけられていなかったのかと悔やむ気持ちもあるが、今のメンタル状況だからこそ、彼らの目指すものが心に響いたのかもしれない。

詳しくは別の機会に書こうと思うが、去年身内が障害者手帳を取得したことで、発達障害という苦しみをさらに強く感じるようになっていたのだ。

ちょうどその企業が採用活動を今していることもわかり、行動に移すことに決めた。それに随時支援事業所のアルバイトスタッフを募集している。

もし今年の試験に全て失敗してしまったら、ここで一年間アルバイトさせてもらうのも良いかもしれない。

そう思ったら、少しだけ気持ちが前向きになった。

とりあえず、全部失敗しても人間続けてみようと思うくらいには。

 

 

 

私がここまで書いた話から分かる方も多いと思いますが、私はきっと社会的には恵まれた環境で育ちました。

でも、常に競争を意識する社会で勝ち続けることへのプレッシャー。頑張り続けられないと親から人格否定の言葉を言われる恐怖。発達障害グレーゾーン故なのか、一生懸命相手と接しているつもりなのに、いつのまにか嫌われていたら怒らせてしまう経験。0か100かしかない私の馬力。その全てが、死にたくなるほどに苦しかった。

「もっとこうすればよかったんじゃないか」「そんなのは甘えているだけだ」「もっと辛い環境の人はたくさんいる」

いろんな意見があると思います。

でも、私はその時に自分で出来る精一杯のことを、それこそ、この記事に書ききれないくらいたくさん挑戦し、自分を変えようと努力してきました。

それでもここまでしかできなかった。

 

職を選ばなければ、就職そのものはいつでもできる。でも、私はきちんとやりたいことを持って、私という人間を受け入れてくれそうな土壌がある場所でないと飛び込んでいけないんです。認めたくなかったけど、おそらくそれは認めなければいけない私の傾向です。

 

だからどうか、「その程度のことで」とこの経験を否定しないでください。

 

だらだらと思いをつらね、長くなってしまいましたが、最後まで読んでくださった方、ありがとうございます。